Fairy-tale Assassinate
好機
私はパーティーが開催されている広間とは別の部屋に連れていって貰った。
好きなドレスを選ぶように言われたけれども、
ど、どれもキレイキレイしてて選べねっ!!
……ではなくて。
奥に二人だけ。
王子サマは隣の部屋だけど、これは…チャンスという訳だべ!
私はそろりと部屋を出て、王子サマの部屋を開いた。
「ん? どうしたな?」
振り向いた王子サマはシャツのボタンを外し――
「きゃわわっ!! なんて格好をぉっ!」
パッと手で顔を隠した私を見て、王子サマが苦笑した。
「着替えるんだから当たり前な。っと、お嬢さんはまだ着替えてないのな?」
王子サマはニコリと笑い、近づく。
「それじゃ風邪引いてしまいますよ」
私は開いた胸元を見ないようにしながら、後ろ手でスカートに手を伸ばす。