Fairy-tale Assassinate
後ろ手にもじもじしている私の頬を綺麗な白い手が撫でる。
こんな私よりキレイな王子サマを手にかけるのは、とても気が引ける。
でも――
「ごめんなさい王子サマ!」
私はスカートからナイフを取りだし、王子サマの胸目掛けて突き出す。
「!」
でも、王子サマは一瞬形のいい目を丸くしただけ。
「よ、避けられてしまっただ! 旦那サマの嘘つきだが! こしたら失敗せん言ったったのにぃ!!」
どうしようと慌てる私から王子サマはあっさりとナイフを取り上げてしまった。
「へぇ…」
スッと細められた目が怖い。
口は笑っているのに。
「ごめんなさいごめんなさい!! こ、こうしないとおっ母だおっ父だ弟の生活が」
「誰の差し金な?」
「え?」