不良男子が子猫少女と同居する!
☆
美愛の服を買って家に帰ると、美愛がいなかった。
「美愛!?」
玄関先で、持っていた服を取り落してしまった。
「…玲央にゃん?…なの?」
部屋の奥からか細い声が聞こえた。
「美愛!」
俺は取り落した荷物を拾うことを忘れ、靴を脱ぎ散らかして俺は家に上がった。
「どこだ!?どこにいる!?」
美愛はタンスの抽斗に入っていた。そりゃ、抽斗の一つ一つは大きいから、子供なら入れなくもない。
だが、美愛は一応「子供」ではないと思う。体格から判断すれば、だけど。
「…一つ聞く。どうやってその中に入ったんだ?」
美愛は人懐っこい笑顔を浮かべたまま、何も答えてくれなかった。