不良男子が子猫少女と同居する!
美愛の言葉に俺は驚いた。
「行くところ、ないのか?」
「…うん。誰もいないし、家もないし」
「だからって、なんで俺の家なんだ?」
そりゃ、連れ込んだのは俺だけどさ、と俺は付け足した。
「玲央にゃんが好きだから」
美愛がゆっくりとした口調で言う。
「え?」
「玲央にゃんは優しくて面白い人だから、好きだから」
美愛が歌うようにゆっくりと言った。
「俺が?優しい?」
「うん」
俺は、一度だって優しいなんて言われたことがなかった。だから、美愛の言葉には驚いた。
「俺を優しいなんて言うやつは初めてだ」
俺が言うと、美愛が俺から下りた。
背中が軽くなる。