警察官になりたいです!



「奈津ちゃん。お母さんはどうしてるの?」

琥珀は、怪しげな表情で聞いてきた。

思いがけない質問に戸惑う。

「お母さんは、仕事です」


「そうか。稼がなきゃいけないもんね」


私は溜まっていた涙を拭いた。


「暗い話しちゃってごめんね。何かを抱え込んでる気がしたから、吐き出してほしくて、つい…」


琥珀。本当はね、お母さんのことで凄く悩んでるの。

そのことを言いたかった。



でも、お父さんの言葉を思い出したんだ。

『悩みを打ち明けるのは、あまりいいことじゃない。打ち明けられた相手まで、悩むハメになるだろう?』



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