*双子ちゃん*
「それで、あたしの高校に行ってもいいって言ってくれた。友達もいないのに…。」
「美桜??」
「普通、簡単に言えないと思うの。人の高校に通うって。でも、マオは言った。あたしね、いつも羨ましかったの、マオのことが…。」
「え…??」
「すぐ人と打ち解けて、みんなの輪の中心にいて…。」
その光景を中学の頃はいつも見ていた。
その光景を見て、いつも思ってた。
なんであたしはマオみたいになれないんだろうって…。
「優しくて、そして、強くて…。あたしはそんなマオが羨ましかった。いつしか、そんなマオに嫉妬してた。双子なのに…。双子なのになんでこんなに違うんだろうって。」
あたしは、ずっとマオになりたかった。
でも、なれない…。
「でもね、あたし思ったんだ。あたしは一生マオみたいにはなれないなって。だって、あたしは弱いから…。」
あたしは弱い…。
友達を作りたい。
ずっと言い続けた言葉。