*双子ちゃん*



だから、俺も、鉄化面と1つはなれた席に座った。


「…。」


「話って何??」


一向に話そうとしないので、俺が先に話しかけた。


「えっと…今日の遅刻をきちんと反省して、明日から遅刻しないようにしなさい。」


先生口調で言ってくる鉄化面。


「そんなことでわざわざ俺を呼んだの??」


「…。」


また黙り込んでしまった鉄仮面。


なんなんだよ。


俺はまた話を切り出した。


「今朝、俺が言ったこと気にしてんの??”鉄仮面”とか”笑わない”とか。」


そのことが、入学式のとき、少しだけ気になっていた。


たかが遅刻とかで、わざわざ入学式が終わった後に呼び出すわけがない。


それなら、俺を呼び出した理由はこれしかない。


「あなたって、ホント変わった子ね。」


そう呟いたあと、「そうよ。あなたの言う通りよ。」と、小さな声で言った。


やっぱそうか…。


「ごめん、無責任なこと言って。」


ま、傷つけちゃったんだしな。


謝らないと…




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