*双子ちゃん*



「のってませんから。マオ、そんな緊張しなくていいから。普通に名前と組、それから、どこ中出身か言えばいいから。」


「俺らも、おまえが雑用してたときに自己紹介やったんだ。だから、おまえもがんばれよ!!」


「は、はい…。」


皐月先輩と隆二それから、先生に言われて、あたしは人生初の自己紹介をするはめになった。



「みんなー、集合!!!」


「「「「「はい!!!」」」」」



皐月先輩の掛け声によって、みんな一斉にこっちに集まってくる。


そして、小さい声で「あいつ、夏川マオじゃね??」「すげー!!あの夏川マオ!?」なんて声が耳に入ってきた。


その言葉を聞いて、余計緊張は増していく。


でも…


「大丈夫。」


そう言って、皐月先輩があたしの背中を優しく2,3回叩いてくれて、自然と緊張はほぐれていった。



「今から、マオに自己紹介をしてもらう!!じゃあ、マオ。」


そう言って、先輩は1歩後ろに下がったので、あたしは1歩前に出た。


そして、大きく深呼吸をして、自分の気持ちを整えた。


「1年B組の夏川マオです。A中学でサッカーしてました。これから、よろしくお願いします!!」


あたしの自己紹介が終わると、たくさんのところから拍手が鳴り響いた。





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