*双子ちゃん*



あのときは、俺もすごく悔しかった。


なんせ、初めて負けたんだからな。


でも、試合終わって、悔しくて落ち込んでる俺に皐月先輩は笑顔でこう言ってくれたんだ。


『おまえ、すげー強いな。こんなにサッカーしててワクワクしたのは初めてだよ。また、サッカーしような。』


その言葉と笑顔に救われた。


そして、初めて負けを知ったことで、サッカーの楽しさを知った。


「そういうわけで、俺はサッカーが大好きになったんだ。」


「へー!!いい話だね!!」


「まぁな!!」


正直、皐月先輩と同じ高校って知ったときはうれしかったけど…


同時に悲しかった。


だって、あの皐月先輩と一緒にサッカー出来たのに。


出来ないんだから…。


でも、いつか一緒にサッカーを出来る日が来るかもしれない。


それまでは、美桜にがんばってもらうか。


「美桜、皐月先輩に迷惑かけないように、明日からまた特訓な。」


「えー!?」


今は自分の高校生活を楽しむか!!


俺は「いやー!!」と叫ぶ美桜を笑いながら見ていた。





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