変態王子

「あっ、そうでしたね!私は吉野柚菜です。柚子の“柚”に菜の花の“菜”で、ゆなって呼びます」


「俺は桜井湊。湊はえーと…」


俺も彼女みたいに例えてみようとしたけど、いい例えが思い浮かばず、胸ポケットに入れてたボールペンを取り出して左手の甲に”湊“と漢字で書いて見せた。


「この漢字なんだ」


「わざわざありがとう!えーとじゃ、なんて呼べば…」


よし来た!


ここで上手い感じに言えば、名前で呼び合う仲に…!


「俺は柚菜って名前が可愛いから、嫌じゃなかったら名前で読んでもいいかな…?」


この問いに彼女は俺の予想通りの反応をとってくれた。


「ぜ、全然!どうぞ、呼んでください!」


顔を真っ赤にする彼女が本当に可愛い。


「じゃぁ、私も……湊くんで」


照れながらも、俺の名前を呼ぶ柚菜。


よっしゃ!


これで名前で呼び合う仲に♪


呼び捨てじゃないのは少し残念だが、まぁ、付き合ってから呼ばせるように仕向けるのも楽しそうだし、今はいいか☆


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