変態王子
デート当日。
待ち合わせに指摘した〇〇〇駅の中央改札口前。
約束時間の10分前には到着した俺は、
何度も近くの鏡の前で、可笑しな点がないかチェックしていた。
変じゃないよな…?
ファッションには口煩い姉貴に選んで貰った今日のコーデ。
モノクロをベースとしたファッションに、ワックスで少し髪を決めてみたけど、少しでもかっこいいと思ってもらえるだろうか心配でたまらない。
いつもかけている眼鏡は、今日はコンタクトにしてみた。
そわそわしている俺をほったらかして時間は過ぎていき、約束時間の10時になろうとしてたとき、「湊……くん?」と声をかけられた。
勿論、相手は柚菜だ。
「よかったぁ。湊くんじゃなかったら、どうしようか、不安だったんだよ」
「えっ、なんで?」
「だって、眼鏡かけてないし…、今日はその……」
モゴモゴとする彼女に首を傾げると。
「…かっこよくて見違えちゃったから……」