私だけの王子サマ。
「ほら、地味男だし。こうやって喋ってるのに抵抗ないの?」
「新谷くんは地味じゃないよ!だってあの日の新谷くんは…かっこよかったし…だから抵抗なんて」
新谷くんは黙りこんで私をじっと見つめる。
かっこよかったって言っちゃったよ…。
何言っちゃってんだ私。
「…分かってんじゃん」
「?」
新谷くんはカチャッと眼鏡を外し
「俺さーほんとは地味じゃないんだよね」
「俺の本性はこっちだから」
くすっと微笑んでそう言った。