私だけの王子サマ。

「お前なー…」

「いいだろ。あん時のお返しだって」


あ…

あの時は確か…
新谷くんが私に蓮くんの気持ちをばらしたんだっけ。


「あーやる気でねー」

蓮くんが教科書を顔に被せてうなだれる。


「こら。まだ始めたばかりでしょ」


それを見て咲音はお母さんみたいに叱る。


「はいはい。やりますよー。大体テストがあるのがわりぃんだよなー」




皆静かに勉強を進める。

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