純白のキルケゴール


母は、死んだ。


交通事故だった。


私は母とそっくりなこの目で、車が人を引くのを見た。


最初アクション映画でも見てるのかと、錯覚する位、非現実的で、そして何より残酷だった。


現実は残酷だ。


私は、まだ11歳だった。


炎に炎が覆い被さる――


それが私の幼少期。


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