純白のキルケゴール
―もう行けばいいの?―
低い、声。
「そ~、よろしくっす~」
私は、乾いた涙のことを思い出しながら、明るい声を出した。
―分かった、気を付けて帰れよ。―
「私って美少女だからね、襲われちゃうかもね~、心配?」
何ておどけると、電話の向こうから
―お前紫雨さんに比べたらブスだろ―
何ていう呆れた声が聞こえてきた。
「え~、ひどっ。
ともかくちゃんと、おっさん処理してよ!じゃあねん。」