純白のキルケゴール



ありがとう、
ごめんなさい、
おはよう、
こんにちは――


沢山の言葉をお礼や挨拶を母は、重んじていた。


「ありがとお、ママ」


「優名は、ちゃんとありがとうが言える優しい子だね。これからも、そんな優名でいてね」


母は、私がしっかりお礼が言えると必ずそう言った。


宝石をはめ込んだ様に美しい目は、三日月みたいに細めて。

口元を天使みたいに引き上げて――


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