そんなあなたは先生でした…(上)
陽side
麗華との沈黙が続く。
その沈黙を破ったのは俺。
「なぁ、麗華…」
「なに?」
「最近までは、
“助けたい”
“守ってやりたい”
って思いだったんだ。
でも、今は
“自分が幸せにしてあげたい”
“自分が守って、助けて、笑顔にしてあげたい”
と思うようになった…」
「陽…」
「これってさ……」
俺が続きを言う前に麗華に
「男が女を自分の手で守ってやりたいって思うときは、真実はひとつよ!
陽は、もぅ、その気持ちに……、
礼ちゃんへの想いに気付いてるんじゃない?」
と言われた。
「うん、わかってる…」
俺は麗華の目を見て、真剣に言った。
「じゃぁ、その想いを形にするのね!」
「あぁ…」
「頑張りなよ、陽」
そう言って部屋へ戻る麗華。
俺の気持ち。
想い。
形にするか……。