そんなあなたは先生でした…(上)
久しぶりに“家”に来た。
「どうぞ、入ってください」
麗華さん達を通す。
「じゃぁ、あたし達はここで待ってるわね」
居間に座っている様子。
「わかりました」
そう言って、久しぶりに部屋へ行く。
ガラガラッ
襖を開けて、中を見る。
閑散としていた。
手当たり次第にダンボールへ入れる。
あ、これ!!
手にした物は大きなクマのぬいぐるみ。
これは、まだ仲が良かった頃。
あたしが小学生低学年の頃に、一人で寝るために買ってもらったぬいぐるみ。
ボロボロだな……。
この頃は、こんな未来だなんて思ってもなかったな…。
あの頃に戻れたらな………。
ハッ!!!
だめだめっ!!
あたしは目にうっすらと浮かんだ涙を拭って、作業を再稼動した。