そんなあなたは先生でした…(上)

「……やちゃん、……あやちゃんっ!!」

ぼーっと先生の顔を眺めていたあたし。

呼んだ麗華さんを見るとにやけていた。

「陽ったらー♥
礼ちゃんのことどんだけ好きなのよっ」

「ふぇ?」

「こんな格好までして助けてあげたかったのね」

先生……


「礼ちゃん、愛されてるわぁ♥」

「そっ、そんなこと!!!」

あたしは思い切り首を振った。


「いいえ、陽は礼ちゃんを大事に想っているわよ。
長年の付き合いよ?
見ればわかるわよ」


麗華さんは断言した。

「そんなこと……」

そうだよ。


だって、

教師だもん。


あたしは、

生徒なんだもん。





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