そんなあなたは先生でした…(上)

言われた通りに家に寄ると、

会長から作戦を聞かされた。


それは、今まではやったことのないもので。

「会長、コレを仕掛けるんですか?」

「あぁ。
何だ?出来ないか?」

会長は嘲笑うようにククッと声を出した。

「……いいえ、やらせていただきます」

会長は盛大に笑った。


「どうしてこの女をここまで?」

疑問だった。
今までのように俺に靡かせればいいんじゃなかったのか?

「それはだな。
その女に一度会ったことがあるんだが、
そいつを佐伯が助けたんだ。
まさかな、まさかそいつと佐伯が……。
だから、その女には借りを返してもらう必要があるんだよ」


なるほど、


「恭哉、くれぐれもよろしくな…」


「はい」



秋の夕暮れ、
カラスが飛び交う中俺は使命を渡された。





< 309 / 529 >

この作品をシェア

pagetop