そんなあなたは先生でした…(上)
言われた通りに家に寄ると、
会長から作戦を聞かされた。
それは、今まではやったことのないもので。
「会長、コレを仕掛けるんですか?」
「あぁ。
何だ?出来ないか?」
会長は嘲笑うようにククッと声を出した。
「……いいえ、やらせていただきます」
会長は盛大に笑った。
「どうしてこの女をここまで?」
疑問だった。
今までのように俺に靡かせればいいんじゃなかったのか?
「それはだな。
その女に一度会ったことがあるんだが、
そいつを佐伯が助けたんだ。
まさかな、まさかそいつと佐伯が……。
だから、その女には借りを返してもらう必要があるんだよ」
なるほど、
「恭哉、くれぐれもよろしくな…」
「はい」
秋の夕暮れ、
カラスが飛び交う中俺は使命を渡された。