そんなあなたは先生でした…(上)

暫くすると陽が帰ってきた。


ガチャ……

ドアが開く。


「陽、お帰りなさい……って、え!?」


いきなり抱き締められた。


「ど、どうしたんですか?」

「んー……」

甘えん坊になってる。

可愛い!


「礼……」

「はい?」


「俺のこと好き?」

「え?」

いつもはそんなこと言わないから
聞き返してしまった。

「好き?」

真剣な目で言われた。

そんなの………


「好きです。
大好きです、陽のこと…」


照れながらも返してあげると、
さっきまでの顔とは違う、

パーッと晴れ渡った顔をしている。


「礼」


呼ばれて少し上を向くと
唇が重なり、陽の温かさを感じた。






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