そんなあなたは先生でした…(上)

「恭哉?
どうした、ボーッとして」

「あ、いえなんでも」


今日はやけにその無精髭を触るなぁ。


「もしかして、あの女か?」

「だから、違いますって。
俺はそういう美しい心なんてもってないんで。
あいつを見るとイライラしたり、動悸が半端なくなって辛いんすから。
佐伯とあいつが二人でいると尚更。
こんなにも胸が苦しくなるっていう経験は初めてっすよ。これで、俺がどんだけ嫌ってるかわかりましたか!?」



まくし立てるように話した。

会長は


「そうか……」


と一言。


俺はまたあの女を思い出してイラつきを覚える。


「では、これで…」


家から出てため息をつく。



ふぅー…。







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