そんなあなたは先生でした…(上)
「城之内くん具合どうですか?」
うっすらと目を開ける。
「ん、わりぃな…」
「ここにスポーツ飲料水置いとくんで、ちゃんと水分補給してくださいね」
じゃぁ、あたしはこれで……
と、教室に戻ろうとした瞬間、
手をしっかりと握られた。
「じょ、」
「行かないでくれ……」
病人とは感じられない握力。
しっかりと握られた手。
「お願いだ……、行かないでくれ。
側にいてほしい…」
病人にそう懇願されたら振り解くことなんてできない。
やっぱり、誰でも弱ってるときは誰かに一緒にいてほしいもんね。
「わかりました……」
あたしは近くの椅子を引き、
城之内くんの手を包むようにした。