そんなあなたは先生でした…(上)
『それでは、かぐや姫。
どうぞー!』
アナウンスと同時にステージの幕が開いた。
緊張するよー……
てか、なんであたしだけ着物!?
浴衣っていうより着物の生地の衣装を纏っている。
あぁー、もうちょっとで出番だっ!!
「礼」
震える肩をポンと叩かれる。
「?」
振り返ると陽がいた。
「ちょっと、バレちゃうよ?」
「大丈夫、大丈夫。
礼、緊張しないで。
大丈夫、礼にならできるよ…」
耳元で小さな声で言う。
「はい、がんばってくる!」
あたしは深呼吸をしてステージに立った。
そこからはだんだん緊張が解れて、最後まで失敗せずに無事終われた。
拍手喝采だったし、何よりみんなで一丸となってできてよかった。