そんなあなたは先生でした…(上)
話を聞き終わった麗華さんと奏さんは涙を流していた。
「頑張ったわね、礼ちゃん」
「えらいっすね…」
「ありがとうございます」
あたしも涙を流していて、
また先生から頭を撫でられた。
「ここにいる人はみんな礼さんと同じような境遇だから。
もちろん俺も」
「え?」
「俺の場合は、両親が事故で亡くなってさ。
ここの会長ってか、お爺ちゃんとお婆ちゃんに引き取られたんだ」
「そうなんですか?」
「今は、会長たちは海外に仕事で行ってるんだけどね」
先生は遠くを見るように話した。