そんなあなたは先生でした…(上)
礼side
水族館は人が溢れんばかりいた。
「離れんなよ」
そう言ってがっちり手を結ばれた。
「陽、マグロだよ!!」
「おぉ、でけー…」
マグロはずっと動いてるんだよね。
休んだら死んじゃうらしい。
あたしはずっと動いてたら死んじゃうよ。マグロさん、偉いね。
「美味そう…」
「陽?」
う、美味そうって……
「だってこれ美味しそうじゃんか」
「そうだけど……」
「俺さ、昔水族館に行ってこの魚美味しそうって言ったらお爺ちゃんに爆笑されたんだよな」
「あ、それあたしもある!」
あたしもこの魚昨日食べたね!
って言ったもん。
陽にそれを言うと、笑いながら
「俺ら似てるね」
と言った。
なんだかおかしくて二人で爆笑。
周りからは変な目で見られちゃった。