そんなあなたは先生でした…(上)

礼side


ドクンドクン……


陽が隣に座った。

距離は10㎝くらいしかない。


落ち着け、あたし。


ふぅー…


さっきの深呼吸を思い出せ!!


「礼」

「は、はぃぃ!!!」

声裏返っちゃった。

恥ずかしいよー///


そんなあたしを見て笑う。


「どんだけなの?」


「だ、だって……」


陽は余裕っていう表情をしている。


「うん、うん」

そう言って頭を撫でてくれる。


「あたしばっかり…」

「そんなことないよ、ほら」


ほらと言われてあたしの手は陽の心臓のところへ。

ドクンドクン…



速い鼓動がわかる。



「俺もだから…」


そう言ってそのまま距離をなくした。


あたしの唇に優しくそっと重なる。





< 521 / 529 >

この作品をシェア

pagetop