そんなあなたは先生でした…(上)
礼side
んー……
あ、お母さんだ…!!
「お母さんっ!!!」
呼んでも振り向いてくれない。
お母さんはそのまま消えてしまった。
消える前に小さな声が聞こえた。
「邪魔」
って……。
あたしは途方に暮れていた。
どれだけ歩いても、
どれだけ助けを呼んでも、
誰も来てくれない。
あたしは、暗闇の中、
疲れ果てて倒れた。
次第に瞼が重くなる。
あ、もぅダメかな……
「礼さん!!!」
閉じようとした瞬間、
あたしは誰かに呼ばれた。
身体が軽くなる。
あたしは起きあがって、声のする方向へ向かった。