president command
「…1つだけ聞いていいですか?これは新さんの気まぐれで始まった候補者制度?」
「違うよ。お袋に勧められたんだ。俺に結婚の意識を持たせたかったんじゃないのか?」
「それでも、一度はのったわけですよね?」
「あぁ。どうせ妻は決められるものだって思ってたから。…でもお前らと過ごして違うなって思ったんだ。」
本当だ
これは本当に俺の気持ちだ
「…わかりました」
「色々すまなかったな」
「…・・・新さん。」
「ん?」
「私がもう、あなたの婚約者候補にあがることはないですか?」
・・・
どういう意味でいってるんだこいつ
お前には
好きなやつがいるはずだろう?
金か?
やっぱり財産にはかなわないってか?
「ひよを妻にしようとは考えて「私の好きな人。あなたですよ。」」
…。
「私、ずっと新さんが好きだったんです。」
彼女の顔がくしゃっとなったのは
涙があふれてきたせいで
その目に浮かぶ水の粒たちは
きっと本当の想いだと
見ているだけでわかった。
「私、あなたが、好きです。」