president command



その場で泣きあげることもせず


必死に落ちてくる涙を拾う彼女



ハンカチが一生懸命彼女の涙を吸い込んでいた




「…ひよ」


俺はひどい奴だと思う



「いつから?」


「…あった時から」



ってことは俺が社長であることを隠している時だ


「なんでだよ」

「なんでって、…・・・うぅぅ…・・・言えませんよそんなこと」




どうして俺なんか好きになってしまったんだよ




「ひよ、ありがとう。…でもごめん」


「…・。」



彼女は微笑みもせず

ただ

赤くなった眼で



俺をみていた


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