president command
でも

言ってみなくちゃ始まらないよね・・・



「あの。」


私の口がそっと開いた



磯部くんはじっと私を見たままだ



「好きだった人にね、赤ちゃんができたかもしれないの」

過去形で言った私はずるい

計算高い女…といわれても仕方ないと思う




「…」

「でも本当かどうかわからないの。でもね、それ聞いて私、私」
「気にならない女の子なんかいないんじゃない?」

「へ?」



磯部くんはちょっと目線をはずして


「誰だって気になってた人に赤ちゃんできたらドキマギするさ」


「…」



まるで自分が経験あるみたいな言い方するな




「だから、村瀬が感じていること、誰にでもあるよ」



ニッ


最後にさわやかな笑顔をくれる磯部君






そういうのされると


本当に好きになっちゃいそうだな



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