president command
side 新




頭からなだれ落ちる水にうたれながら



考えることは1つ







ひよ








ここにきて




ひよのことちゃんと見た上で


断ろうと思っていたのに





「……俺おかしい」




何かが変なんだ






ひよに対する俺の気持ちに変化があるからか



だとしたら




いや。だとしなくても







俺はしっかりひよと向き合う必要がある





初めて会った時から


問題外として扱っていた村瀬ひよ



今もどこかにあるその名残




ひよは違う



って勝手に思いこんでいた節があるのは否定できない





けれど


これまでの自分の行動を見返すと



ひよに好意を抱く男にどことなく変な感情を抱いているのは知っている


自分でもわかってんだ





今だって


ひきよせるつもりなんかなかったのに









バシャン




湯槽につかり



そのまま顔を沈めた






俺は



ひよのこと







いや。

そんなはず




「………好き………かもしれないなんてありえねーだろ」





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