president command


困った顔した新さん





私は今日
何度"好き"だと新さんに伝え


何度この困った様子の彼に会ったんだろ





「……正直な話、わからない」




「え」




迷っている

新さんが悩んでる




「…ひよのこと好きになってる自分が確かにいる。でも見合いをしたことで会社単位で考えてる自分もいる」



「会社とか関係なく、堀川新として考えてた時の答えがほしい」




「………社長じゃない俺」

「私はそっちの新さんに惚れたから」


理由は単純すぎますが



好きになったのは


開発部に扮していた新さんだから







「…………たぶん好き」



「………えへ」



「キモいぞひよ」


「えへへ」




なんだか笑える
キモい言われても関係ない
ただ嬉しいの

体のあちこちから空気がぬけていくみたいに


私はぺたんと床についた





「………私、新さん好きでいていいんだ」





なぜか涙が


目の下にたまりはじめていた





「何で泣くんだよ」






それは




私にとって



とても勇気のいることだったからだよ




これは安堵の涙なんだ



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