president command

のそのそと近付き


空けられたスペースに納まる






「………」


あまりに心臓が早く動くので


隣にいる新さんに聞こえていないか心配になる




ダブルベッドでないため2人の距離は近い


お互いが天井しか見れない格好で横になっている



手あたっちゃいそう…


なんて今だにどきどきしっぱなしのよ私ったら!



「…………なぁ」



新さんの声がかかる




「…はい」





「やっぱ何もしないっていうのなしにしない?」





ないが多すぎてわけわからなくなってるが



「………え」




「オレもっと理性あると思ってたんだけど」


許可もしてないのに覆いかぶさってきた





ひぃぃ




嬉しいというよりは

まだどこか怖い




「………んな顔するなよ」







「ごめん、頭冷やしてくる。鍵かりていいか?」




「あ、えっと、私のカバンの手前ポケットに入ってます」




ロボットのように答えるだけの私



「じゃ、ちょっと行ってくる」




鍵を片手に新さんは


部屋から出ていった






ガチャン












急に


心がぽっかり空いてしまうような感覚





「…………」



余計眠れないかも



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