president command
俺はひよに近づく
あいつは後づさりすることなくリビングに入ってくる
すれ違うなんて思うなよ
逃がさない
「わっ」
「ひよ」
「何ですか、腕はなし………きゃっ」
俺は寝室までひよを追い込む
「し、新さん」
「ん?」
「やめて」
「嫌」
ひよは
嫌だって言ってる
でもな、本当に嫌なら暴れるだろ?
「新さんどいて」
「嫌」
ぎゅっとひよを捕まえる手に力をこめる
「わっ」
ひよが後ろに下がりすぎて自らベッドに倒れこんだ
俺もすかさずひよに覆いかぶさった
「…………んっ」
そっとキスをするが
ひよは目をぎゅうっと閉じてあけない
身体もこわばっている
「……嫌か?」
「嫌」
「俺はひよのこと抱きたい」
「……」
「お前のこと、好きなんだよ」
本当に
とまらないんだ
「嫌ではないです………でも怖い」
「優しくするよ」
「みんなそう言う」
「は?」
「あ、いやこっちの話です」
わけわからないこと言うなよ
ひよの唇に自分の唇を押しつけた
「………ん、っふぁ」
「変なこと言うなよ、嫉妬する」
「///」
バカひよ
「………新さん、もう1回キスして」
もう
何なんだよこいつ
可愛いこと
たまにするから
俺はぬけられなくなるんだ