president command
言葉につまっているところで

エレベーターがやってきた。

ふぅ、とりあえず助かったか


磯「村瀬何階?」

「あ、一緒でいいよ」


・・・


さっき嘘つかないって思ったのに

口からでたのはさっそく嘘だ


磯「・・・・・・好きな人そこにいるの?」

「いない」

磯「そっか」


「磯部君ごめん」
磯「え?」



彼にはやっぱり嘘ついちゃだめなの


ちゃんと話さなきゃだめなんだ



だって


磯「うつむくなよ。どうした?」


こんなに優しいんだもの



「最上階・・・おしてくれる?」


磯「最上階?」

「私の好きな人。そこにいるから」


磯「・・・・・」


言えた。

磯「そっか。そうだったんだ」

「うん」


チンッ♪

企画部がある階についたようだ


扉があいて磯辺くんが出て行く



気まずい空気が流れていた


けれど、扉がしまる直前

磯部君がくるっとこっちをむいて



磯「俺も、守りたい人できたんだ」




少してれながら

でも全力で



私に伝えてくれた。

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