president command

新さんのお母さんは遠くを見て笑った


あの頃の美しさは今もいきている

でも変わったなって思う


「ひよちゃん、新との結婚は考えているかしら?」


「………できるならしたい、です。だけど決めるのは新さんだから。」



私は社長夫人になれる器じゃない


会社へのメリットもない


「私、社長としての新さんに惚れたわけではないんです。だからただお付き合いさせてもらってるだけかもしれない。いや、たぶんそうです。でも新さんといれるのが幸せだから」




よくもまぁ

こんな恥ずかしい台詞を新さんのお母さんの前でいえたものね



けど必死な時って


相手に想いを伝えたい一心で話してるんだもんね





「新さんこそ幸せ者ね。」


「え?」


「結婚の話は新さんに任せてあるの。だからひよちゃんの気持ちを私が聞いたからどうかなるという問題ではないのだけどね。気になってしまって。」



「……」


「………さ、ご飯にしましょう。きっとシェフが腕をふるってくれているはずよ。」




私は夫人のあとにつづくように部屋を出た



新さんに会ったら


抱きついちゃいそうだな……



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