president command
計算されたように
料理ができるのと新さんが部屋から出てくるのが重なった
「さ、食べようか」
「はい!」
手をさすりながら席につくのは……癖らしい
最近わかった
たぶん本人気付いていない
私だけが知っている
だから内緒にしておくんだ
「どうですか?」
「うまい」
「♪」
新さんが美味しいと言ってくれるからおのずと私の箸もすすむ
「そうだ、今日会社ですごく綺麗な人見たんです」
「へぇ、誰?」
「新さんの友人って言ってましたよ?あのスラってした黒髪の……」
「ひよ会ったの?」
突然声が大きくなったのでびっくりした
「たまたまトイレで」
「そ」
やば
空気がかわっちゃった
「……」
「希さんって言うんだ彼女」
「希さん」
嫌な予感する