president command

「どういうことだ」


「私にもわかりません。昨日の夜中に届いたらしく発見したのは今朝ですので」



「まったく。花岸さんは何をお考えなんでしょうね」




花岸………





「前回会議で決まったことがどうして漏れるんだ」


「おそらくスパイ行為を働いたものがいると考えるしか」




「内部に敵が潜んでいると……?」



「新さん。あなたにはがっかりよ」



「………」



「あなたがなぜ立場を隠してまで社員として働きたかったのかを聞いている側としてはね」





「………すみません」


お袋から言われた言葉がぐさりと胸を突き刺さる


「さて」





がらりと空気がかわった



「これから我が社はどうなるのかしら?」


「もとに戻しますよ」



まだ始まったばかり


「どうやって?」



「花岸ともあろう会社がなぜこそこそ動く必要があるのでしょうか。これは花岸の中でも一部の人が起こした事だと思います」



お袋は顔をかえない



「おそらく花岸さんのお嬢様がからんでいることと思います」




「………あのお嬢さんがね」


「では昨日彼女がいらしていたのは「原田、それはまた別の話があってなんだ。でも彼女はあの日会社内を回っている」」






ひよと会わないよう警戒していたにもかかわらず


簡単に会えてしまえる状況だったのだから




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