president command

とんとん


「社長、ひよさんたちがお見えになりました」


玲奈さんが私たちを案内してくれた。

いつもみたいに上品な玲奈さんに目を奪われた私。

ただアゲハさんだけは凛としていた。


すごいなぁ





新「どうぞ」



「失礼します」

磯部君がお辞儀をして緊張した面持ちで社長室に入る

アゲハさんはお辞儀をして彼に続いた。




新「座ってくれてかまわないから」


「ありがとうございます」

新「磯部くん。そんなにかしこまらないでほしい。俺は社員である君じゃなくアゲハの彼の君と話がしたいんだ」


「・・・はい」



磯部君の顔が少し明るくなった


アゲハさんは依然として態度を崩さず新さんを見ていた。


「まず、ひよさんと話をさせてもらっても?」

新「どうぞ」


「ひよさん」

ひ「はい」

「私あなたに謝らなきゃいけないの」

ひ「え?」


「前に一度ここであったの覚えてるかな?」



おそらくそれは

アゲハさんの赤ちゃん疑惑の時・・・



「私あなたが嫌いだった。だから意地悪してしまった」


ひ「でもそれは」


「あなたが今そのことをどう思っているかしらないけど、私に新くんとの赤ちゃんはいない」


ひ「・・・」


新「あれは違う相手との子供だろ?」


「新くんにも謝らないとね。まず子供なんかいないの。あれはあなたを引き止めたかったから嘘ついた」


新「嘘・・・か」


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