手を繋ごう
 …バタバタバタ…

部屋の外から人が走って来る足音が聞こえた。

だんだん亜華李の病室に近づいて来る……。

まさか…、私の部屋じゃないよね?


その時………


   ガラララ

「亜華李っっ!!!」

振り返るとそこには、すごい形相をした母親が立っていた。


「ママっっ!!!」

沙知は母親の元へ走って駆け寄った。

「亜華李。遅くなっちゃってごめんね…」

「テッメエ何で来んだよ!お前も沙知も病気なんだから来なくてもいいんだよ!さっさと沙知連れて帰れ」
……………

そう、私の母親と沙知は病気だ。

母親も沙知も心臓病…。
沙知は母親の遺伝で、生まれた時から心臓病だった。
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