手を繋ごう
そのせいで沙知は学校に行く事が出来なかった。
沙知は誰よりも優しくて、いい子なのに………
これも全部母親の遺伝子のせいだ。
私は母親を怨んでいた。
コイツが沙知の幸せを奪っているんだ。


……………


許せない…………


「沙知…おいで」

「なあにぃ?お姉ちゃん!」

沙知が私の方に歩み寄ってくる。その姿が最高に可愛かった…。

「沙知…?沙知は体が弱いんだから早くお母さんと一緒に帰りなさい」

「でもお姉ちゃんが心配だから…沙知のこるよ!」

こんな事を言ってくれる妹が最高に愛しい。

でも沙知にはこれ以上ここにいてほしくない。

だって沙知はやっと外泊許可がもらえて昨日から家に帰れたばかりだったから…。
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