手を繋ごう
うっ………。


やばい…私、泣く………。


棗えぇぇー………。






だっだっだっだ………




    バンッッ




「亜華李!!!」
「沙知!!!!」




凄い勢いで病室に駆け込んで来たのは棗………と棗の弟の要(カナメ)だった。





「沙知ッッ!!!大丈夫か?!こっち来いッ!!!」



要が沙知に手をのばす。



「かなちゃあぁーん…!」


沙知は泣きながら要に抱き着いて行った。




「亜華李も…大丈夫か?」


そう言いながら棗は私の事を、



ギュって…抱きしめてくれた。



優しくて力強いその腕は郁兄にそっくりで………でも郁兄とは全然違って………この腕を絶対に離したくないと思った…私を抱きしめているこの腕が…棗が………大切だと思った………。
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