手を繋ごう

「亜華李ーっ！」
聞き慣れた高い、かわいらしい声が私の耳にとどく。
「あっ…。雪！！」

「もー何処行ってたのー？捜したんだからね！」
雪はそう言って私の元に駆け寄る。

「ごめんんー。」

「ごめんなぁー。俺が購買付き合わせたんよ。亜華李は悪くないから怒らんといてやってなぁー。」
嘘つき…。何でまた助けてくれるの？さっきも。
いつも、いつも…。
ありがとう。

「あっ、郁ちゃんじゃん！別怒ってないからいいよ。それし、いつもの事だし（笑）」
雪は可愛い笑顔を見せる。雪は私の幼なじみで、一番の親友だ。
雪は本当に小柄でショートカット、めちゃくちゃ可愛い。
こんな可愛い雪をほっとく馬鹿男子はうちにはいなく、雪には『久我　優希（ｸｶﾞﾕｳｷ）』という背が高くかっこいい、最愛の彼氏がいた。