手を繋ごう
「うっ……うぅっ…ああぁあぁー…」


こんなに声を出して泣いたのは郁兄が死んだ時以来だ………。



「亜華李?大丈夫だ。お前はもう大丈夫。俺だってついてるだろ?沙雪さんは今すっごく頑張ってるんだ。お前が応援しなくちゃ誰が応援するんだ?信じてやるんだ?郁也さんが亡くなって臆病になってるのは分かってる。でも悪い方ばっかりを考えるな。まだ決まったわけじゃないんだ。沙雪さんはまだ死んでない。お前は精一杯沙雪さんを信じてやれ。沙雪さんは死なない」



「うん…うん………!!!亜華李もう泣かない!」




亜華李もう泣かないよ…。

ありがとう棗………。


私…棗が大切だよ。



大切な、大切な…私の幼なじみだ。


棗だけはもう失いたくない。




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