手を繋ごう
♪キーンコーンカーンコーン♪

「あっ…。チャイムも鳴ったし俺もう行くわあぁー!」

「あっ郁兄ありがとうね!ばいばーい」

「郁ちゃんばいばぁい!」
郁兄は私達に手を振って2年の教室へと戻っていった。

郁兄…。
いつも本当にありがとう。
郁兄は私のお兄ちゃん。
っていっても血の繋がりはない。
なぜならば、郁也は生まれてすぐ親が亡くなり、身寄りがなかったという事で郁也の両親と友人だった父が引き取った“養子”なのだ。
血が繋がってないからという事もあるが私は郁也が好きだ。
この事を知っているのは雪と優希と棗(ナツメ)の3人だけ。
郁兄に言うつもりもない。
でも後からそれを酷く後悔する。
言っとけばよかった。
郁兄にちゃんと好きって伝えたかった
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