手を繋ごう


じりじり……。


先生が1歩1歩私と郁兄に近付いてくる。



「嫌っ!嫌だー!!怖い。死にたくないよーっ!!」


私は狂ったように泣き叫んだ。


……………

…………

………


いつの間にか、私と郁兄は屋上のすみへと追い詰められていた。




もう1歩、後ろに下がり身を乗り出したら校庭に……落ちる。




先生はソレを狙っている…。



………そんな気がした。




ナイフはただの脅し…。




私と郁兄を逃がさない為の……。




屋上のすみに追い詰める為の………
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