Do you love me?
「美音ちゃんと詩音ちゃんは高校は桜場?」
「そうです。私たち桜場ですよ。」
桜場(Sakuraba)。正式な呼び方は桜場学園(Sakurabagakuen)。桜場は最近まで進学校だった。
でも今は完全に不良校。理由は3年前からできた普通科。普通科の生徒は県内で一番の偏差値の低さを誇る。
そんなところなら不良が集まる。そのうち頭のよかった特別クラスは新しい校舎に移動したらしい。
あたしたちは本当なら少し無理をしてでも頭のいい桜場に行きたかったけど移転した校舎の場所が宗司さんの家から通える距離じゃないから必然的に無理になった。
「桜場はいいところだよ。僕もあそこの卒業生だし、学校生活楽しめればいいね。」
「…宗司さんは普通科じゃないでしょ?」
「ちょっと!詩音っ!やめなよそういうこと言うの。」
「だって…。まぁいいわよ。宗司さん、ごめんなさい。」
「うんん。気にしなくていいよ。確かに僕は特別クラスしかない時代だったしね。でも大丈夫だよ。理事長はいい人だし。彼なら安心して2人を任せられるしね。」
「宗司さん、理事長と知り合いなんですか?」
「ああ。彼とは高校の頃からの友達でね。彼の卒業は光陵(Kouryou)学園なんだよ。」
光陵といえばあたしたちが通う桜場と1.2を争う不良高校。
「え!?理事長が光陵って大丈夫なんですか?」
「詩音ちゃん。卒業した学校で人を決めるのはどうかと思うよ?僕は彼の友人だし彼はとてもいい人だしね。」
「ごめんなさい。そんなつもりじゃないの。ただ驚いて。」