DEAR SMILE～愛しい笑顔～

それから、ショッピングモールをゆっくりまわって、買い物をしたあとにいつも行くカフェに来た。

「あたしは、カフェオレ。柚羅は、ミルクティーでいい？」
「あ、うん。」
ここに来ては２時間くらいずっといる。
最初は勉強するんだけど、そっからいつの間にか服の話や恋バナになっている。
今日もそのパターンだった。

「……だから、ここにはこれしか当てはまらなくなるの。」
「あぁー！わかったぁ。」
と、今日の数学の問題を教えていた。

すると、
「ねぇ、柚羅。あの人には会えた？」
あの人とは、あたしが中２のときの夏に一目惚れした清英の元野球部の神崎 葵(ｶﾝｻﾞｷ ｱｵｲ)先輩。
今は卒業して清英大学のメディカル科教育学部に通っていると、南稚の彼氏の飯田 恭哉(ｲｲﾀﾞ ｷｮｳﾔ)先輩から聞いている。

「会えてないよ。南稚、恭哉先輩から何か聞いてない？彼女いるとか……。」
「んー、聞いてないな。また、聞いとくね。」