DEAR SMILE~愛しい笑顔~
「ただいまー。」
「おかえり。」
そう言って、リビングから顔を出したのは、紗羅(サラ)姉だった。
あたしは4人兄弟の末っ子。
長女で22歳の紗羅姉と次女で20歳の想羅(ソラ)姉と長男で18歳の奨平(ショウヘイ)兄。それから、三女で末っ子のあたし。
紗羅姉も想羅姉もキレイでおしゃれさん。
奨平兄は、ブサイクって訳じゃないけど、かっこいいとは言えないカンジ。
「柚羅、ご飯は?」
「食べる!ご飯何?」
「柚羅の好きな豆腐ハンバーグだよ。」
「やったぁ!紗羅姉ありがとー。」
あたしん家は、両親が2人とも仕事で帰りが遅いから、結婚している紗羅姉か想羅姉が夜ご飯だけ作りに来てくれる。
まだ遊びたいあたしや奨平兄にとっては、とってもありがたい。
すると、
「ただいま。」
「おかえり、奨平。」
「おかえり。」
奨平兄が帰ってきた。
「奨平、ご飯は?」
「いらねぇ。友達と食ってきた。」
「ふーん。いらないなら連絡してよね。」
と、紗羅姉は面白くなさそうに言った。